退職申告できても、今すぐ会社を辞められるとは限りません。
会社によっては、1ヶ月あるいは数ヶ月先まで辞められないということもあるでしょう。
上司からパワハラを受けていたり長時間労働を強いられていたりと、現在の職場がブラック企業同然だとすれば、すぐにでも辞めたいですよね。
しかし、実際のところ即日退職が許されるのか・・です。
そこで本記事では、「退職申告の翌日から会社に行かないようにすることはできるのか?」というテーマで解説いたします。
退職申告した翌日以降、会社に行きたくないけど、それが許されるのか気になる。
退職申告した翌日から会社に行く必要がなくなる。
目次
退職申告すればOK?明日から行かないは許されるのか?
結論を申しますと、退職申告すれば即日退職を実現できます。
なぜなら、退職は労働者の権利だからです。
いくら会社が引き止めようと、労働者が辞める意思を持ってさえいれば、退職は認められます。
法律上では2週間前に申告する必要がある?
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用元:e-GOV
しかし、ここで言う2週間というのは、あくまでも会社の籍が無くなるまでの期間に過ぎません。
例えば、退職申告の翌日以降を有給休暇にしたり、欠勤扱いにしたりすることで、出社する必要がなくなります。
また、欠勤扱いにしなくても、会社からの合意を得られたり労働条件に相違があったりした場合においても、即日退職は認められます。
後は最終手段として、退職代行サービスの利用も挙げられます。
これらの事を踏まえ、「会社に明日から行かない」は実現できるのです!
明日から行かないは本当に大丈夫なの?実行するときに気になる点
このように、即日退職は実現可能な事が分かりました。
しかし、給与や会社からの圧力などを考えると、色々気になる部分もあるでしょう。
本段落では、即日退職を実行するときの気になる点を4つまとめました。
即日退職しても給料はもらえるの?
どんな辞め方をしようと、雇用主は労働者に働いた分の賃金を支払うことが義務付けられています。
ですので、即日退職しようが働いた日数分の給与は振り込まれるのでご安心ください。
仮に支払いを拒むことがあれば、それは違法です。
有給消化はできる?
有給消化も労働者の権利なので、もちろん可能です。
会社に拒否する権利はなく、仮に拒否された場合、給与問題と同様に会社側の違法行為に当たります。
詳しくは、下記記事よりご覧になってみてください。

有給申請するときの注意点
当たり前の話かとは思いますが、有給が使えるのは、あくまでも残っている日数分のみです。
有給の日数が残っていないにも関わらず、有給申請しても通ることはありません。
また、有給が使えるのは、会社に籍が残っている期間のみです。
例えば、3月で籍が無くなる場合、4月以降の有給は一切通りません。
仮に残っていたとしても、全てパーになります。
有給を使用する際は、これらの点に注意しましょう。
そんな辞め方をしても迷惑はかからない?
明日からいきなり会社に行かない・・となると、一番心配なのは会社に迷惑がかからないかですよね。
単刀直入に言ってしまうと、確かに迷惑は掛かるかもしれません。
しかし、会社を辞める以上、必ず何かしらの迷惑は掛かってしまうもの。
こういう言い方は失礼かもしれませんが、あなた1人が抜けても基本的に会社は回ります。
というより、そこを上手く回すのが経営者の役目です。
ですから、会社への迷惑についてはあまり真剣に考えないほうが精神的にもいいでしょう。
自分の事を最優先に考えてあげてください。
損害賠償が請求されることは?
しかし、退職を理由とした損害賠償なんて本来は認められないですし、仮に行ってきた場合は脅迫として、労働基準監督署に相談できます。
また、大体の場合、退職を阻止させようとするための脅しに過ぎません。
というのも、損害賠償を請求するには、時間や手間、コストが掛かります。
正直、企業がやるメリットは少ないと言えます。
損害賠償を請求するぐらいなら、新しい人材を確保したほうが賢明な判断です。
そのため、脅しはあっても、実際に損害賠償を請求される可能性はゼロに近いと思って大丈夫でしょう。
仮にしつこく脅してくる場合は、労働基準監督署に相談するのがいいです。
「明日から行かない」を成功させるためのステップ
即日退職を考えてはいるけど、なるべく穏便に辞めたいと思うのが本音ではないでしょうか。
本段落では、そのステップをご紹介いたします。
①退職届と有給休暇or欠勤の申請準備をする
即日退職を希望する際は、退職届を準備しておく必要があります。
なぜなら、退職申告したことを証明するには退職届が一番手っ取り早いからです。
そして、退職届を記載する際には、有給休暇あるいは欠勤の申請を行うことも記載します。
分かりやすいように、以下テンプレートをご用意いたしました。
退職届
私儀
この度、一身上の都合により、勝手ながら
二〇二十一年 十月三十一日をもって退職いたします。
また、二〇二十一年十月十六日より二〇二十一年十月三十一日迄の、土日祝を除く10日間の有給休暇の消化を申請させていただきますので、ご了承のほどお願いいたします。
二〇二十一年 十月十五日
〇〇部 転職 太郎 印 ←※印鑑を押してください
株式会社ブラックカンパニー
代表取締役社長 退職 拒否 殿
※日付や退職動機は一例に過ぎません。ご自身の用途に合わせて変更してください。
退職届が書けましたら、無地の白い封筒に入れておきます。
ただ、手元に残る証拠として、コピーも取っておいてください。
②引継ぎ書を作成する
退職届が記載できましたら、次は引継ぎ書の作成に入ります。
引継ぎ書を作成しておくことで、後任の方がスムーズに仕事を引き継ぐことができます。
引継ぎ書には、「業務内容のリスト化」、「ログインに必要なIDやパスワード」などを記載しておく形で大丈夫です。
後は必要な書類やデータもまとめておけば、より効率的に引継ぎを行えます。
③退職届を出す
ここまでの準備ができましたら、いざ本番です。
内容郵便証明とは、その名の通り郵送したことを証明するサービスです。
直接渡すと、その場で破り捨てられたり、しつこい引き止めをくらったりする可能性があります。
内容郵便証明であれば、証拠として残るので、会社側が破棄しようが言い逃れはできません。
これに加え、上司とも顔を合わさずに済むので、リラックスした状態で退職申告を提出できます。
会社から電話があったらどうしよう?
会社によっては、「急な退職は困る」、「こんな形での退職は受理できない」などと文句の電話を入れてくる可能性もゼロではないです。
しかし、ここで怯んではいけません。
最初の方で解説しました通り、民法上に沿った手順であれば即日退職は可能です。
そのため、会社側から何か言われても、あなたは堂々と「自分の退職方法は法律上でも認められている」という趣旨を伝えましょう。
メールやLINEで送るのはダメなの?
退職申告の方法には指定がなく、メールやLINEで送るのも法律上では許されています。
これを聞くと、「メールやLINEで退職申告するのもいいのでは?」と思いますよね。
しかし、これらの方法で申告することはおすすめしません。
なぜなら、メールやLINEは以下のトラブルに見舞われやすいからです。
- 通信障害で送信が遅れる
- 迷惑フォルダーに入って確認が遅れる
- 上司のLINEが業務用ではなくプライベート用だった。プライベート用なので、退職申告として認められない
上記の要因で退職申告が確認されないと、無断欠勤とみなされ懲戒解雇にされる可能性があります。
懲戒解雇は、今後の転職活動にも響くので、余ほどの理由がない限りは内容郵便証明を経由して申告しましょう。
④会社の物は返却する
制服や機材など、会社から貸与・支給されているものがあれば、最後の出勤日に返却しておきましょう。
⑤返却物や必要な書類を受け取る
退職申告を行った後、会社から返却物や必要な書類が返ってきているかを確認します。
以下、返却物・書類の一例です。
- 離職票
- 雇用保険被保険者
- 源泉徴収票
- 年金手帳
- 健康保険資格喪失証明書
- 厚生年金基金加入員証
中でも①~④は転職活動でも必要となるので、必ず受け取っておきましょう。
以上、即日退職における退職の手続きのやり方です。
即日退職をするときに絶対にやってはいけないこと
即日退職を行う際ですが、絶対にやってはいけないことが1つあります。
それは「退職申告をせずに突然辞める」ことです。
簡単に言うなら、トンズラやバックレですね。
トンズラやバックレは当然無断欠勤と同じ扱いとなるため、下手すれば懲戒解雇になりかねません。
先ほども少し触れましたが、懲戒解雇は転職活動にも影響してきます。
なぜなら、履歴書に記載しなければいけない内容だからです。※記載がないと経歴詐称になります。
履歴書に懲戒解雇なんて書いてあったら、企業があなたに対して警戒するのは言うまでもありません。
ブラック企業で働いていると、トンズラやバックレしたくなる気持ちは痛いほど分かります。
しかし、それのせいであなたの経歴に傷が付いては元も子もありません。
そのため、ここは歯を食いしばってでも、退職申告だけはきちんとしましょう。
確実な成功を求めるなら!退職代行サービス
最初の「退職申告すればOK?明日から行かないは許されるのか?」でも軽く触れましたが、最後の手段として退職代行サービスの利用が挙げられます。
退職代行サービスは、その名の通り業者があなたに代わって退職の手続きを行ってくれます。
依頼が成立すれば、退職申告から全て業者が行ってくれるので、あなたは二度と出社することなく退職を実現できます。
退職代行サービスについては、当サイトでも色々まとめていますので、ご興味のある人は下記ページよりご覧になってみてください。
まとめ
退職申告した後に「明日から行かない」を実現することは可能ですが、それを成功させるためには正しいステップを踏む必要があります。
事前準備で少し面倒に感じてしまう人もいるでしょう。
しかし、現在の会社と1日でも早くおさらばするためには、多少手間に感じてでも、本記事でお話した内容を参考に実行いただければと思います。